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交流誌

生活創造のM

「井草」の「にやりほっと」ファイルから、 ケアのための「情報」を探る金子彩香

「ライフ&シニアハウス井草」の若手介護スタッフたちが自然発生的に始めた「にやりほっと報告書」。入居者やスタッフが笑顔になった瞬間や、今までできなかったことができるようになったときの入居者の様子を記入して共有するツールです。これを進化させケアプランに反映させるしくみをつくり、他ハウスにも水平展開させようという動きがあります。先輩たちのアイデアを体系化し組織的に運用していこうと活動する入社3年目の介護スタッフ2人に、これまでの経緯と今後の目標を聞きました。

介護に必要な「情報」を増やせるツールです
ライフ&シニアハウス井草 金子彩香

「にやりほっと報告書」は2012年から、「井草」のハウスで行われていました。しかし、いざ書くとなるとどんなことを書けばいいのか、そのときはよくわかりませんでした。他のスタッフも同様の様子で、報告数は月に数件だったように記憶しています。

「にやりほっと」に再び注目が集まるきっかけになったのは、GA活動※1です。2014年、私が2年目のときに、1年先輩の和田さん※2から誘われて、同期の頓所さん※3、富田さんとともに参加しました。まず、あのホネのような図※4を用い、私たちの介護の課題に対して要因解析を行いました。浮かび上がってきたのは、「個人記録が業務のことばかり」「いわゆるヒヤリハット≠フようなことが起こると危ないと判断して行動を制限してしまう」「入居者の生活歴を知らない」などの課題。そこで、「井草」には「にやりほっと」といういいツールがあるのだから活用しようという話になったのです。

スタッフに、各入居者のできることを聞くアンケートを取り、その結果を元にケアを行ってカンファレンスで報告し合う「GOODNEWS月間」を導入したり、報告書の書式を改良し、報告内容をケアに活かせるようなツールにブラッシュアップしたりしました。GA活動を行った2014年5月1日から2014年6月30日までの間で、「にやりほっと」報告件数は100件にのぼり、波及効果として、報告内容をケアマネジャーが入居者34名のケアプランに組み込む、という成果が表れました。

GA活動終了後も、「にやりほっと」の効果はさまざまな場面で実感しています。歯磨きを嫌がる方がすんなり歯磨きをしてくださるようになる声かけを発見したし、読経が好きな方に、試しにトイレでの立ち上がりの際にお経を唱えてみたらうまく立ち上がれた、なんていう「にやりほっと」もありました。

ちょっとした情報が、他の場面で応用できることもある。こんなこと書いてもいいのかな、と思えるような、ただおもしろおかしい言動を記入するだけでもよくて、すぐにケアに反映できなくても、いつか貴重な情報になると思うんです。最近、私が好きだったのは「ストローで羊羹!?」です。「おやつに羊羹を提供するも、スプーンを忘れたので用意し再訪室、すると飲料用のストローで羊羹を吸っておられた。なかなか出ない、と真剣な表情で言われる」…との書き込みに、よほど羊羹がお好きだったのか、早く召し上がりたかったのか、その方の羊羹への強い気持ちと行動力に「にやり」としました。

入社して1、2年はルーチンワークに追われていたし、情報の引き出しもなかった。でも今は、ご入居者の好きなものの情報が「にやりほっと」により入ってくるので、会話を楽しめるようになっています。書くのが苦手な方は、報告書のファイルを見るだけでも「参加」です。他のハウスにもぜひ広まってほしいです。

※1 GA(グループアクション)活動

2006年から生活科学運営が取り入れている小集団による業務改善活動。ちなみに、金子のGA活動原体験は入社内定時、インターンシップで「ライフハウス浦和」の介護予防をテーマにした活動を間近で見たこと。当時の中心人物(現在は「ライフ&シニアハウスリボンシティ川口」)の嶋田なつきが今も憧れの存在だそう。

年に1回、社内で選ばれた上位グループが発表し、最優秀賞、優秀賞を決める全社大会を開催。「にやりほっと」の活動は、第7回大会で優秀賞を受賞した

※2 1年先輩の和田さん

「井草」の介護サブリーダー、和田悠三。「にやりほっと」が紹介された日本経済新聞(2015年6月8日夕刊)に写真が掲載されている。

「にやりほっと」が紹介された日本経済新聞

※3 同期の頓所さん

現在、本社・人事課で新卒採用を担当している元「井草」の介護スタッフ・頓所瑠里。

入社前の学生を誘って参加したハウスの夏祭りで、焼きそばを食べている様子

※4 ホネのような図

当社スタッフは、しょっちゅう、こうした要因解析図を用いてワークしている。

スタッフが描いた要因解析図

上司やパートスタッフも巻き込んでいきましょう
高根台つどいの家 富田早織

私は元「井草」の介護スタッフで、金子さんと一緒にGA活動をしていました。「高根台」には、社内公募で2015年2月に異動。募集は計画作成担当者で介護支援専門員の資格が必要でしたが、実務経験五年たち受験資格が得られたら必ず受験します!とアピールして、採用となりました。

船橋市はグループホーム2ユニットのうち1名有資格者がいればよいという決まりなので、今は、有資格者の佐藤ケアマネジャーのもと、サブで計画作成の業務も担当しながら学んでいます。

「高根台」・富田早織。報告された「にやりほっと」はリーダーの助言を参考に、ピンクの紙で笑顔の花が咲く木を表現し掲示

「高根台」で「にやりほっと」を展開することにしたのは、グループホームの入居者はできることが多く、「にやりほっと」を引き出しやすいのでは、と思ったからです。「井草」のGA活動メンバーからの推薦もあり、3月末の個人面談でリーダーとハウス長に相談。上司たちは「スタッフが受け入れてくれそうならぜひ」と背中を押してくれたので、さっそく企画書とメッセージを連絡帳にはさみました。

ミーティングでは事例として、「車椅子のご入居者が手押し相撲をしたときにオラ〜っと大きな声を出した」という「にやりほっと」を紹介。スタッフたちから笑いがこぼれたので、すかさず「そんなふうにスタッフが笑った瞬間も取り入れてください!」と訴えました。「井草」はご入居者の笑顔をメインにしていたのですが、「高根台」はスタッフの笑顔も大事にしたいことを強調していったのです。

「高根台」は、正社員6名に対し、パートスタッフが約20名。年上で私より長く高根台に勤務している方ばかり。私は教えてもらう一方で、私から何かを提案するということはありませんでした。でも、「にやりほっと」を始めることで、先輩たちがしているケアの意図や思いを知ることができて勉強になったし、価値観を共有し合える関係に発展した気がします。

先日、「にやりほっと委員会」を立ち上げました。メンバーはパートスタッフ5名のうち、2名がユニバーサル就労の方です。働く楽しみを覚えてもらうために誘いました。導入時は1人の活動でしたが、今ではメンバーがファイリング等を手伝ってくれます。

私の今後の課題は、「にやりほっと」を計画作成に活かすこと。私はまだ計画作成が上手にできないので、「にやりほっと」を活用していきたいです。

それから、本社の運営支援課が他のハウスに広めるために「にやりほっと」の統一書式をつくってくれたので※5、同期のネットワーク等も使って広めていきたいです。東日本事例発表研修会※6でのプレゼンにも参加できることになったので、「井草」のチームのメンバーと、発表をがんばってきます。

※5 統一書式

「井草」の活動を他ハウスにも展開しようと、本社運営支援課が運用マニュアルと報告書の書式を整備した。

書式整備された「にやりほっと報告書」

※6 東日本事例発表研修会

全国有料老人ホーム協会が自主的に行う有料老人ホーム職員のための研修会。介護及び生活支援サービスについて創意工夫を重ね、相互に検証、切磋琢磨する場として1年に1度開催。加盟各社のホームのスタッフが集まり、自社の事例について発表を行う。

他のハウスにも「にやりほっと」が芽生えています

幻視、せん妄、独語がある方との会話から、お金、銀座、塗り絵が好きなことを聞き出し、塗り絵を渡して銀座のコンクールで金賞をとると金一封もらえるかも、と話すと一生懸命塗り絵を開始。独語も少なくなり、受賞したらハワイへ連れていってあげると言って、スタッフを喜ばせてくれています。 (ライフ&シニアハウス港北2 小澤厚子)

片麻痺があり、いつも机をたたいてスタッフを呼ぶ方がいますが、それを利用して紙相撲をしたスタッフがいました。レクに参加できないことが多いので、ご本人も喜んでいました。(ライフ&シニアハウス神宮南井田 浅井知代)

普段は暴言ばかりの方が、食の進まない方に「これおいしいよ」と勧めてくれて、その方の食が進んだという出来事がありました。(ライフ&シニアハウス緑橋 中井陽一郎)

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