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社長コラム

老後の重いテーマを問いかける「しわ」

こんにちは、浦田です。
以前のコラムでも少し触れましたが、最近「高齢者映画」ブームを感じています。

 

今回は、少し前に話題になった、スペインのアニメ映画「しわ」を観ての感想です。
認知症発症の兆しがみられる元銀行員エミリオが主人公ですが、実は陰の主役と言っても良い同室のミゲルが、この映画の重要な役割を担っています。

 

物語は、最初からずっと似非福祉(と作者が思っているに違いないもの)が画面に登場し、徹底的に神経を逆撫でし続けます。
エミリオの息子は、自分たちの生活に支障がでることに耐えきれなくなり、老人ホーム(日本の特養のようなもの?)を探します。息子の妻の微妙な視線は、実は息子の葛藤を「他人だから」というように表現しています。息子は父親のマンションを売ってしまい(入居費用に充てることを暗示的に見せている感じ)、どうやらこの施設を探したようなのですが、実はその基準は「親父が若い頃好きだった水泳のできるプール」や設備の充実だったことがずっと後でわかります。

 

映画のはじめの方のミゲルのセリフ。
「これは見せるためのプールなんだ。誰も泳がない。見学に来るお客様にウケる。
お客様っていうのは、金を出す人だ。家族とか」
が重くリフレインしてきます。

 

ミゲルは、エミリオへの初対面のあいさつで 
「ここへは懲役何年の罪で?」
という冗談で戸惑わせますが、実は家族もなく、いざとなったら、自ら命を絶つ覚悟で、その場その場を上手く渡っていこうとしか考えていないことがじょじょにわかります。

 

ミゲルのもろもろの無作法を諌めるエミリオに、
「ここでは綺麗事では済まないんだ。自分に嘘をついてオリエント急行の乗客で居続けるか?…」
―― 怒られない程度の引用にしたいので中略 ――

 

「良いかエミリオ、絶対に二階へは行くなよ」
二階の認知症フロアについて、エミリオに注意するミゲルでしたが、本当は恐れている現実から逃げていることが垣間見えます。
こうした、ちょっとした会話が見ている自分に向かってくる鋭さが、優れた脚本の評価を受けていることに納得します。笑わせて油断させて、すかさずグサっとくる。

 

周りの人々を気遣っているのか、自分の利益のために動いているのか分からないミゲルは、認知症のモデストと一緒に、妻のドロレスがニ階へ住み替えたと聞いて怒ります。
「彼女は健康なのに、一緒に二階へ行ったのか?気違い沙汰だ。二週間で一緒になっちまう」
しかし、「それが愛なのよ」と他者にたしなめられ、結局その「愛」に気付いてしまう。
ここでも、第三者的に見ているはずのこっちの腹に「愛」と妙なおもりのようなものを残しておいてから、たたみかけてくるストーリーが巧みです。

 

見どころはミゲル。彼の心の奥底にあるのが見えてきて、本人が逃げるのをやめて行動をおこす・・・

個人的な感想ですが、「しわ」は彼が真実の福祉(映画では「愛」と言ってます)に目覚める映画です。作者はおそらく、これを言いたいのだと思います。

 

「最強の二人」は実写だからこそ活きて、「しわ」はアニメーションでしか表現できない世界観だと思いました。「素敵な相棒 フランクじいさんとロボットヘルパー」にも期待しています。

 

蛇足:高齢者住宅事業会社社長の言い訳めいた付言

        〜映画に出てくる「収容所」のような施設と誤解されないように

私どもでは、地域に開かれたハウスを目指しており、入ることを拒むような門扉やもちろん刑務所のような高い金網の柵などはありません。しかもほとんどは駅から歩いていくような街中にあります。
・スタッフは失礼にならない程度のカジュアルな私服で勤務しており、あくまで「住まい」としての運用に心がけています。
・ライフ&シニアハウスでは「住替え」をしていただく運用をしています。 これは、その方の状態により、適切な住環境は変わるという考え方です。もちろん介護フロアも、できる限りその方らしく生活していただくことに配慮していますし、決して立ち入られて困るような運営はしていません。
 自立フロアから介護フロアへは自由に行き来していただいているだけではなく、イベント、アクティビティを一緒に開催したりもしています。 そういう前提の上で、私どものシニアハウス(介護フロア)は認知症を患っている方の住まいとして、安心安全に過ごしていただけることと思います。
 

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作品情報
「しわ」
(配給:三鷹の森 ジブリ美術館 /監督:イグナシオ・フェレーラス/原作:パコ・ロカ/他)
スペインの漫画家パコ・ロカによる「皺」を原作としたイグナシオ・フェレーラ監督によるアニメーション映画。スペインのアカデミー賞と言われる第29回ゴヤ賞で最優秀アニメーション賞、最優秀脚本賞を受賞。元銀行員のエミリオは老いて認知症の兆しがみられるようになり、養護老人施設でくらすことに。お金に細かい同室のミゲルや、アルツハイマーの夫と妻など個性的な面々と生活をともにする。ある日、エミリオはアルツハイマーの入居者と同じ薬を処方されていることから、エミリオは自身がアルツハイマー症であることを知る。

( 2013.8.15 )

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